遊び雲

西宮市の障害者支援のNPO法人「遊び雲」は居宅介護、家事援助、身体介護、外出支援などを通して、障害者がイキイキと暮らせる社会をめざして活動しています。
  

「KSKP 遊び雲 通信~『こんちくしょう』」より

遊び雲から毎月発行している会報「KSKP 遊び雲 通信~『こんちくしょう』」からピックアップした記事をこちらで一部公開します。

  

2018年1月号より    八重の椿      高瀬さとみ 

今年も残り少なくなった。師走、12月。昨日、つれあいが買って来てくれた金柑に,炊飯器でこしらえた甘酒と牛乳をミキサーにかけてジュースにして飲んだらとても美味しかった。

今日、ご近所さん(最近、奥様が眼の手術をされ、ご主人も入院しておられた)にその金柑と甘酒を快気祝に届けた。その足でスーパーへ買い物に。

ジブリの径と呼んで親しんでいる私の好きな道を通っていく。

パプリカとブリと抹茶を買っての帰り道、竹林の道へ差し掛かった時、何やら華やいだものを感じて立ち止まると、ピンク色で八重で薔薇のような椿のような花が,うっそうとした中でスポットライトを浴びたように美しさを湛えてひっそりと咲いていた。思わず「きれいね」とつぶやいた。つれあいは2枝ほどを手折ってくれた。

帰り着いて、早速玄関と応接間に一輪ずつ、つれあいが活けてくれた。なかなかセンスがいい。改めて眺めてみるといつもスーパーで買ってくる、一束300円か400円の花とは趣が違う。寒中にかぼそい、枝を伸ばしてすっくと立つ凛とした立ち姿に心洗われた。