遊び雲

西宮市の障害者支援のNPO法人「遊び雲」は居宅介護、家事援助、身体介護、外出支援などを通して、障害者がイキイキと暮らせる社会をめざして活動しています。
  

「KSKP 遊び雲 通信~『こんちくしょう』」より

遊び雲から毎月発行している会報「KSKP 遊び雲 通信~『こんちくしょう』」からピックアップした記事をこちらで一部公開します。

  

2021年3月181号 琴の音

琴の音

高瀬さとみ

 わが団地の3階にお住いのご夫妻宅はいつ伺ってもスッキリと片付いて気持ちの良い、センスの良い暮らしぶりどうすればああいう風になるのだろう、同じ間取りなのに我が家とは随分違うな~と、お邪魔するたび思っていた。

 奥様は50年のキャリアをお持ちのお琴奏者の師範で、ご自宅でお弟子さんに教えていらっしゃる。かく言う私は去年の10月から習い始めたばかりですけれど。最初が肝心と基礎からみっちりと教えて頂き、基本を叩き込もうとされたのだが、なにぶんにも当方は楽器などやったことがない。もちろん楽譜も読めない。小学校の時の縦笛も吹けず、大勢の中で吹いたふりをしていただけ。今回は、「60の手習い」と思ったがなかなか上手く弾けない。わずか1か月で音を上げ「もうやめときます」と申し上げてしまった。゛あ~ぁ、情けない”。すると先生は「楽しくやりましょう。もう少しやってみても

いいんじゃない?」と言ってくださり、練習曲から゛数え唄”"さくら”など馴染みのある曲を弾くように配慮して下さり、だんだん愉しくなってきたのです。

 先生はお声も美しくその唄にも聴き惚れる。これからも先生のお宅に伺うのが楽しみです。

 お琴は゛道”だと思う。華道や茶道、武道にもつながる精神修養への道(場)なのだろう。       

以上